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Japan Contemporary Dance Network

NPO法人 ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク

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NPO法人JCDN SDGs宣言書

JCDNニュース

2023.11.10

SDGs(持続可能な開発目標)の中に、文化・芸術は入っていません。そこでダンスの活動というのは、どこに当てはまるのだろうかと思っていました。ちょうどお世話になっている京都銀行が新しいプロジェクトとして、様々な会社のSDGs宣言書を、シンクタンクと共に作成しているというお話を伺い、JCDN=ダンスの活動というのがどこに当てはまるかを長時間のインタビューと、検討の結果、まとめてくれました。ぜひ皆様の参考になればと、公開します。

 

「ダンスの持つ力を社会の中で活かす」

目標 3  あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進することは、持続可能な開発に欠かせません。

平均寿命を延ばし、母子の死亡と関連づけられている一般的な死因のいくつかを減らすという点では、長足 の進歩が見られています。しかし、2030 年までに生児出生 10 万人当たり 70 人未満という産婦死亡率のタ ーゲットを達成するためには、熟練した分娩医療の改善が必要となります。

また、2030 年までに非伝染性疾病による早死を 3 分の 1 減らすというターゲットを達成するためには、調理 に際するクリーン燃料使用に向けたさらに効率の高い技術と、たばこのリスクに関する教育も必要になるでしょう。

幅広い疾病を全面的に根絶させ、新旧の多種多様な健康問題に取り組むためには、さらに多くの取り組み が必要とされています。保険制度のより効率的な財源確保、衛生施設と衛生状態の改善、医療へのアクセス 拡大、環境汚染の削減方法に関するより多くのヒントの提供に注力することで、数百万人の命を救うための支援を大幅に前進させることができます。

 

目標 4  すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を 促進する

質の高い教育機会を得ることは、持続可能な開発を生み出すための基盤です。包摂的な教育へのアクセス は、生活の質を改善するだけでなく、世界の最も大きな課題に対する革新的な解決策を考案するために必 要なツールを各地の人々に与えることにも役立ちます。

学校に通えていない子どもは現在 2 億 6,500 万人に上りますが、そのうち 22%は小学校就学年齢の子ども たちです。また、学校に通えている子どもでも、基本的な識字・算術能力が欠けています。過去 10 年間で、 あらゆるレベルの教育へのアクセス改善と、特に女性と女児の就学率向上に向け、大きな前進が達成されま した。基本的な読み書きの能力は大幅に向上しましたが、普遍的な教育目標を達成するためには、さらに長 足の進歩が必要です。例えば、世界は初等教育で男女の平等を達成しましたが、すべての教育レベルでこ のターゲットを達成した国はほとんどありません。

質の高い教育が欠けている理由としては、十分な訓練を受けた教員の不足、校舎の劣悪な状況、農村部の 子どもに提供される機会に関連する公平性の問題が挙げられます。貧困家庭の子どもに質の高い教育を提 供するためには、奨学金制度や教員養成ワークショップ、校舎の建設、学校への水道と電力の供給改善に 投資する必要があります。

 

目標 17  持続可能な開発に向けてグローバル・パートナーシップを活性化する

持続可能な開発アジェンダを成功に導くためには、各国政府と民間セクター、市民社会のパートナーシップ が必要です。原則と価値観、共有のビジョン、そして人間と地球を中心に据えた共有の目標に基づく包摂的 なパートナーシップが、グローバル、地域、国内、地方の各レベルで必要とされています。

数兆ドルに上る民間資金の変革力を持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けて動員、活用、解放するた めの緊急行動が必要です。外国直接投資を含む長期投資は、特に開発途上国の主力部門で必要とされて います。具体的な分野としては、持続可能なエネルギー、インフラと輸送のほか、情報通信技術(ICT)が挙 げられます。公共セクターは明確な方向性を定める必要があるでしょう。審査や監視の枠組み、規制、このよ うな投資を可能にする誘因構造を改革することで、投資を誘い、持続可能な開発を補強しなければなりませ ん。最高会計検査機関など国内の監督メカニズムや、立法府による監督機能を強化すべきです。

 

「お互いを尊重できる活動の場つくり」

目標 3 同上

目標 5  ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

世界は「ミレニアム開発目標(MDGs)」(初等教育への男女平等のアクセスを含む)のもとで、ジェンダーの平 等と女性のエンパワーメントを前進させましたが、女性と女児は依然として、世界各地で差別と暴力に苦しんでいます。

ジェンダーの平等は基本的人権であるだけでなく、平和かつ豊かで持続可能な世界に必要な基盤でもあり ます。残念ながら現時点で、15 歳から 49 歳の女性と女児の 5 人に 1 人は、最近の 12 カ月以内に親密なパ ートナーから身体的または性的な暴力を受けたと報告していますが、今でも 49 カ国には女性を家庭内暴力 から守る法律がありません。児童婚や、最近の 10 年間で 30%減少した女性器切除術(FGM)など、有害な 慣行については前進が見られるものの、このような慣行を全廃させるためには、さらに多くの取り組みが必要となります。

女性と女児に教育や医療、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)への平等なアクセスを提供 し、政治的・経済的意志決定プロセスへの参画を可能にすれば、持続可能な経済が促進され、社会と人類 全体に利益が及ぶことでしょう。職場での男女平等と、女性に対する有害な慣行の根絶に関し、新たな法的 枠組みを導入することは、全世界の多くの国で広く見られるジェンダーに基づく差別に終止符を打つうえで 欠かせません。

 

目標 8 すべての人々のための包摂的かつ持続可能な経済成長、雇用およびディーセ ント・ワークを推進する

世界人口のおよそ半数は、1 日当たり約 2 ドル相当の金額で暮らしていますが、世界全体の失業率は 5.7% であり、仕事があっても貧困から逃れられない状況が多くの場所で生じています。この遅々とした不公平な前 進は私たちに対し、貧困根絶を目指すそれぞれの経済・社会政策を再考、刷新することを求めています。

ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の機会が継続的に欠如した状態や不十分な投資、過 少消費は、すべての人々が前進を共有しなければならないという、民主主義的社会を下支えする基本的な 社会契約の衰退をもたらします。世界全体の 1 人当たり実質 GDP の年平均成長率は対前年で上昇してい るものの、開発途上地域には依然として、成長が減速し、2030 年の 7%という成長ターゲットから遠ざかって いる国が多くあります。労働生産性が低下し、失業率が上昇する中、賃金の低下によって生活水準も悪化を 始めています。

持続可能な経済成長を遂げるためには、経済を刺激し、かつ、環境に害を及ぼさない質の高い仕事に人々 が就ける条件を整備することが必要になります。雇用機会とディーセントな雇用環境は、現役世代の人々す べてにとって重要です。所得を管理し、資産を蓄積し、生産的な投資を行うためには、金融サービスへのアク セスを拡大する必要があります。世界の最貧地域では、貿易や金融、農業インフラ整備へのコミットメントを強 化することも、生産性の向上と失業の減少に役立つでしょう。

 

目標 10  国内および国家間の不平等を是正する

国際社会は、人々の貧困脱出に向け、長足の進歩を遂げてきました。後発開発途上国、内陸開発途上国、 小島嶼開発途上国など、最も脆弱な国々は引き続き、貧困の削減を進めています。しかし、不平等は根強く 残り、保健や教育サービス、その他の資産へのアクセスという点では、大きな格差がなくなっていません。

経済成長が包摂的でなく、経済、社会、環境という持続可能な開発の 3 つの側面に波及しなければ、貧困を 削減するには不十分だというコンセンサスができ上がりつつあります。幸いなことに、所得の不平等は国家間 でも、国内でも縮小しています。現時点で、データが入手できる 94 カ国のうち 60 カ国の 1 人当たり所得は、 国別平均を上回る伸びを示しています。後発開発途上国からの輸出品に有利なアクセス条件を設けることについても、ある程度の前進が見られます。

不平等を是正するためには、原則的に社会的弱者や疎外された人々のニーズに配慮しつつ、普遍的な政策を採用すべきです。国際通貨基金(IMF)で開発途上国が投じる票の割合を増やすことに加え、開発途上 国からの輸出品に対する免税措置を広げ、優遇を続ける必要があります。最後に、技術革新は、移民労働 者の送金コスト削減に資する可能性があります。

 

「社会の信頼を得られる事業活動」

目標 16 公正、平和かつ包摂的な社会を推進する

持続可能な開発に向け、平和で包摂的な社会を推進するためには、国際的な殺人、子どもに対する暴力、 人身取引や性的暴力の脅威に取り組むことが重要です。こうした取り組みは、すべての人に司法へのアクセ スを提供し、あらゆるレベルで実効的で責任ある制度を構築するための下支えとなるからです。

殺人や人身取引への取り組みについては、過去10年間で大きな進展が見られたものの、ラテンアメリカやサ ハラ以南アフリカ、そしてアジア全域では、依然として数千人が故意の殺人の犠牲となる大きなリスクを抱え ています。暴行や性的暴力による子どもの権利の侵害は、特に過少報告やデータの欠如が問題を悪化させ る中で、全世界の多くの国を蝕み続けています。

こうした課題に取り組み、より平和で包摂的な社会を構築するためには、さらに効率的で透明な規制と、包括 的かつ現実的な政府予算を導入する必要があります。個人の権利保護に向けた第一歩なるのは、全世界で 出生届を導入し、各国により独立性の高い人権機関を設けることです。

 

(翻訳は、国際連合広報センターの訳を掲載、SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは? 17の目標ごとの説明、事実と数字 | 国連広報センター (unic.or.jp)